私に付ける薬はない

誰かをクスリとさせたいブログ

白ポンチョ兄さん

仕事帰りにジムでトレーニングをした後、サウナと大浴場でサッパリしてから帰宅するというのが日々のルーティーンである私。

ほぼ毎日のペースで通っているので何かしら小物を忘れることもしばしば。

忘れた物によって被害レベルも異なってくるので、今日はそれについて過去の体験をもとにまとめていく。

 

①トレーニングシャツを忘れたとき

モチベーションはやや下がるものの、仕事着ではインナーシャツを着ているため、それを代用することが可能である。

最悪トレーニングができずとも、お風呂には浸かって帰ることができるため無駄足感はほぼ皆無と言える。

 

②お風呂セット(ボディタオル・バスタオル)を忘れたとき

ジムで爽やかな気分になった直後にこの事実を突きつけられた瞬間の気分の下がり幅は大きい。

かといって風呂に入らずして帰宅するのも憚られるので、無課金ユーザーの如く無防備な姿で強行突入。

幸いボディソープやシャンプーは備え付けのものがあるので、身体を洗うときは手洗いで対応。

タオルが無いため背中を隈なく洗い切ることは身体の構造上不可能であるが、それでも腕の稼働範囲限界まで伸ばし切って懸命に泡を塗りつける。

また、入浴後に身体に付着している水分を切るものも当然無いため、露天エリアにて外気での自然乾燥を試みる。

おおかた水分が落とされたのを見計らって脱衣所に戻り、残りは手刀で仕上げ。

タオルが無いだけで普段よりも時間を要したが事なきを得る。

 

③下着を忘れたとき

最後の最後で忘れ物を知った時のダメージは大きい。

これまでの気持ち良さが一瞬にして失われるのだ。

しかし、対応は至極単純。

「下着がなければ履かなければいいじゃない」

そう、ノーパンツでのスウェット着用。

見た目にはなんら問題なければ、意外や意外、着心地もそう悪く無いことを覚えた。

 

そしていよいよ次が最後になるのだが、私の経験上これが一番キツかった。

 

④着替えのシャツを忘れたとき

前述での下着と同様、最後の最後で気付いた時の心的ダメージが大きいことはもちろんのこと、対応も極めて困難であるのでタチが悪い。

しかもこの日に限っては最初からトレーニングウェアのままで訪れていたため、仕事着を着用して帰るという選択肢はない。

着用できるものが汗でビショビショになったトレーニングシャツのみなのである。

流石に成す術がないと言えども、風呂上がりにこのビショTを再び着用するという選択肢は私の中では存在しない。

私は脱衣所で帰路の着き方について思案した。

 

まず、開き直って上半身裸で堂々と帰るという選択肢。

ほら、よく夏になると見かけるじゃない?上半身は裸、下はステテコで近所を闊歩するおじちゃん達。

あれをイメージして帰ろうかとも考えたけれど、あれはあの年代の方達だから成立しているのであって、彼らに比べてはまだまだ若造の私にあの堂々とした佇まいと風格を醸し出せるかと言えば、急に不安になってきた。

なんでも年相応というものがあるのだ。

こういうのは不安になったが最後。

挙動不審の半裸男はすぐさま通報案件である。

 

次に上半身をバスタオルで巻くという選択肢。

脱衣所の鏡の前で試してみる。

…いや、サラシじゃないんだから。

どこのお祭り男だよ、と。

私の風貌がもっとワイルドであれば違和感も無いのだろうけれど、どう見てもお祭りとは無縁の佇まい。違和感しかない。

 

じゃあ、どうすれば…。

 

最後の最後で私が選んだ方法は、シンプルではあるが「バスタオルを羽織る」というものであった。

これだけ聞くと特段大したことのない話のように思われるかもしれないが、これがなかなか難しいのである。

私のバスタオルはそんなに大きいものではないため、羽織るだけでは前が全開なのだ。

そう、もちろんビーチクもね。

どうせビーチクが全開になるのならばいっそ最初の選択肢である「半裸で退出」の方がどれだけ潔いことか。

(前だけは隠さないといけない)

うまい具合にビーチクを隠そうとするけれども、角度や高さなどがなかなか定まらない。

丁度いいポジションを見つけたと思っても、如何せん荷物が多いために、歩いているとタオルがずり落ちてくるのだ。

脱衣所で悪戦苦闘している間はいいものの、いざ外に出てから他人とのすれ違い様にポロリとビーチクをチラ見せしてしまえばこれまた事案案件と成りかねない。

全裸のトレンチコートおじさんが一世を風靡したように、半裸の白ポンチョ兄さんの爆誕である。

何よりも乳首の露出を防ぐこと、そして極力肌の露出面を減らすことに集中し、私は忍足で受付のお姉さんの前を走り抜け、他の利用者達の目線がこちらに向かぬよう注意しながらなんとか駐車場のマイカーへ駆け込んだのであった。

皆様、忘れ物にはご注意を。